Tachihara Michizo Memorial Museum
主な収蔵品 2
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絵入り詩稿『散歩詩集』異稿


[1933年(昭8)夏頃]、御岳での夏のくらしを記念して制作された
『散歩詩集』の異稿で、一枚漉鳥の子紙製葉書に8色で筆記されている。
パステル画 無題[二匹の魚]
パステルは やはらかし。
うれしかり、ほのかなる 手ざわりは。
うれしかり、パステルの 色あひは。
立原道造
パステル画「H子の像」
1929年(昭4)制作のこの作品のモデルは、府立三中の級友の妹
久子といわれている。立原の密かな想いは告げることなく終わる
のだが、当時盛んに作っていた口語自由律短歌に歌われている。
パステル画 無題[御岳の山なみ]
立原がパステル画を本格的に描き始めたのは、府立三中時代からで、
学友会大会に毎年出品し、高い評価を得ていた。そして、館で所蔵
するパステル画のほとんどは、この時代(1927-31)に制作された
と推定される。また、立原は、ルフランのパステルを緑だけで200色
も揃えていたという。この作品は、当時ほぼ恒例としていた御岳山で
の避暑の折描かれたものと思われる。
ペン画 無題[観音像のある追分風景]
「村はづれの歌」などに登場する「馬頭観世音の叢」が描かれたこの
ペン画は、1934年(昭9)の夏から死の前年まで続いた信濃追分での
<村ぐらし>で制作されたものであろう。
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Copyright(C) Tachihara Michizo Kinenkai 1999